起業物語〜私らしい書道教室の開き方〜

第8回 もう生徒さんはいますか?

さて、おかげさまで、

初回のセミナーをよい形でおさめられた私は、

>私はお役に立てるうれしさ、
> 字がキレイに書けて、喜んでいる友達の姿を見ながら、
>決して書道はマイナーではない、と確信しました。

これなら、きっとカルチャースクールの先生も、

書道は楽しめると思ってくださるわ~^^

なんて、勝手に想像して、

>自信を持った私は、この日の様子をもとに、
>実家の印刷やでパンフレットとレッスンレポートを作り、
>カルチャースクールの担当の方へ、
>手書きの手紙を添えて、意気揚々と、送りました。

ところが、

>・・・すぐに返事が来るほど、
>世の中は甘くありません。

そうそう、そうなんです。

そんなに世の中は甘くない。

返事が来ないのも、当り前と言えば、当り前。

もちろん私だって、さすがにそんな初回から、

「うちのカルチャースクールでレッスンしてください!」

と言われるなんて、思ってもいませんし、

そんな都合のよい話があるとも思っていません。

ただ、

「お手紙、受け取りました。」

というお返事のお電話やメールが、

あったらいいなと、ちょっと期待していました。

でも、もちろんそんなことはあるはずもなく。

(結果、お返事をいただいたのは実績を出し始めた2年後でした。)

>あまりになんにも音沙汰がなく、
>がっかりしたのは、言うまでもありませんが、

これで、引き下がろうとは全く思いませんでした。

>みんなのうれしそうな顔。
>字がキレイに書ける喜び。

>それを思えば思うほど、
>書道をもっともっと多くの人に伝えたいと、
>胸が熱くなりました。

みんなの字の上達と、うれしそうな顔、

そして自分の書道に対する想いに気づいた私は、

>学生時代に身につけた、努力と体力をもとに、
>あとは、方向性さえ間違えなければ、
>きっと多くの人に親しまれるレッスンができるはず。

と、書道のはな*みちとして、書道教室を運営することにしたのです。

・ルールその2 もう生徒さんはいるのか?

書道教室を運営する上で、一番大切なことは、

もう生徒さんがいるのか?

ということです。

いくら資格を取り、書道教室を運営しよう!!と意気込んでも、

そこにお客様がいなければ、なにも始まりません。

私の場合は、幸い、すでに生徒さんがいました。

一番最初の生徒さんは、幼なじみであるお友達。

幼なじみなので、私が小さいころから書道を習っているのを知っています。

なので、書道師範を取ったと同時に、

「時間があったら教えてね~。」

と言ってもらえました。

今でも幼なじみにはとても感謝していますが、

これは、ひとつの集客の形=クチコミです。

私の師匠も、もともと、書道教室を運営する気はなかったそうで、
(これもびっくりなことですが、)

ご長男を出産後、自宅にいる時間が増え、

姪っ子さんに自宅で書道を教え始めたら、

姪っ子が友達を連れてきて、さらにその友達が・・・

という形で、

あっという間に200人の生徒が集まり、

結局やめられなくなったそうです(笑)。

あれから、30年・・・。

師匠は一度も、看板を外に出すこともなく、

もちろん自分で宣伝することもなく、

書道教室を続けられています。

これだけ聞いても、さすが師匠という感じですが、

紹介、クチコミは一番の集客方法ですね。

2012-03-01 15:23:57

ですから、

書道教室を始めたい!!と思ったら、

まず生徒さんを作るために、

「書道教室を始めようと思ってるんだよね・・・。」

とお友達や身近な方へ、予告するとよいでしょう。

そのお友達が、生徒さんになってくれる場合もありますし、

お友達を紹介してくれる場合もあります。

またいくらお友達とはいえ、

いきなりお月謝を支払って習ってくれるとも限りませんから、

そんなときは、

「無料体験レッスンを受けてくれない?」

「モニターになってもらえないかしら?」

とお願いしましょう。

私は勢いで、いきなりセミナーをやってしまいましたが、

自宅で30分か1時間くらいの書道レッスンを受けていただく・・・

これなら、

お友達も気軽に受けてくれますし、

自分の勉強にもなります。

いくら資格を持っていて、字が上手に書けるとしても、

実際に、人を相手にして教えなくては、

分からないこともたくさんあります。

それから、これは先に強く主張しておきたいのですが、

先生業=接客業

です。

字が上手で、書くことが好きでも、

人と接するのが苦手とか、会話するのが難しいとか、

初めての人とどうやって話を続けていったらよいか分からない、

という人は、先生になるのは、厳しいと思います。

もちろん苦手なら、克服する方法もありますので、

あきらめる必要はありませんが、

先生業=接客業

と思っていないと、

あとあと、ご自分がつらくなりますので・・・。

そんなわけで、

とにかく最初はお友達にモニターになっていただき、

自分の運営するイメージや、教え方などを振り返り、

フィードバックしましょう。

そして、実は、無料体験レッスンの一番の目的は、

実績づくり

なのです。

起業したて、駆け出しのころは、

当り前ですが、実績がありません。

例え、資格があったとしても、

それだけでいきなり食べていけるほど、

やっぱり世の中は甘くありません。

だからといって、

「生徒さん紹介して~。」

「なんでもいいから、お仕事ください!」

とお願いしても、

それでは、下を見られて、

とんでもなくお安いお値段を言われたり、

ものすごくキツイ条件を言われたり、

という可能性があります。

それでも仕事があるだけいいかな・・・

という気持ちでスタートしてしまうと、

ずっと相手のペースで仕事をするハメになり、

利益が出る前にキャッシュアウトしてしまうかもしれません。

せっかく書道教室を始めたのなら、

続けていきたいですよね。

事業継続の前提は、

ゴーイングコンサーン(going concern) です。

※企業が将来にわたって無期限に事業を継続することを前提とする考え方のこと。

そのためにも、

決して、高飛車になるという意味ではなく、

お互いにとってよい価値を生み出しながら、

お仕事をしてくのは、理想だと思うのです。

だからこそ、たとえ、無料でも、先に実績を作るのです。

○人生徒さんがいます!

○○で、セミナーを開きました!

人は、すでに行列が出来ているところに並びます。

お客さんのいない、ガラガラのラーメン屋さんに入る気がしますか?

どんなにおいしかったとしても、

それを知らなかったとしたら、お客さんが入ってくれる可能性は低いのです。

どんなに小さくてもいいのです。

はじめの一歩を踏み出すこと。

そうすれば、少しずつ、

クチコミの輪、ご紹介の輪が広がります。

これが、第一の集客方法です。

次回は、第二の集客方法、

「売り込まない!広告宣伝費をいっさい使わず、生徒さんを集客する方法」

をお伝えしますね。