第5回 某カルチャースクールの校長先生に書道はマイナーと言われ落ち込む
25歳:某カルチャースクールの校長先生に「書はマイナー」と言われ落ち込む
めでたくお免状も取ることができ、結婚した私は、
仕事も派遣社員やパートに切り替え、
無理なくお稽古に通ったり、週末にはお友達に書道を教えたりしていました。
そのときは、書道教室を開こう!という夢があったわけでもなく、
仕事上の夢は、営業ウーマンでした。
なので、書道は、趣味程度に、お友だちと楽しくやれればいいなと思っていました。
ただ、お友達とはいえ、実際に教え始めると、
自分がしっかり基礎を教えられなければいけないと、
徐々に使命感が強くなり、
まさに「教えることは教わることだな」と感じていました。
そんなある日、
私の母が、とあるカルチャースクールのチラシを見て、こう言いました。
「あら、このスクール、書道の講座がないわ。
どこにでもあるのに、変ね~。」
確かに書道講座は、どのスクールにも入っているので、
私も、何でだろう?と不思議に思いました。
「華子、ちょっと聞いてみたら?」
と母が言うので、
私もあっさり、そうねと電話で問い合わせてみました。
チラシに書いてある電話に問い合わせをし、
担当の方とお話すると、意外な答えが返ってきました。
「書道は、マイナーなのか、あんまり人が集まらないんですよねぇ・・・。」
「!!!」
うまく表現できないくらい、
私の頭の中には衝撃が走りました。
書道がマイナー???
日本の文化なのに???
興味がある人がいない???
書道も、今まで自分がやってきたことも、
すべて否定されたかのような、大きなショックを受けました。
私は、カルチャースクールを運営されているという立場の方に
そう言われたのが更にショックで、
「書道は決してマイナーなんかではないです。
興味がある人、必要としている人は、たくさんいます!
マイナーだとすれば、それは書道が誤解されているからです。
私の書道教室では、そういった角度ではなく、
わきあいあいと、楽しくレッスンしています。
かくかくしかじか・・・。」
問い合わせをしたのが、いつのまにか、こんなことになり、
その後、何を言ったか覚えてないほど、熱弁を振るってしまいした。
熱意が通じたのか、
担当の方はしっかり聞いてくださいましたが、
「うちは、お付き合いのある書道の先生もいらっしゃいますし、
もしよかったら、あなたの書道教室の資料だけでもお預かりします。」
ということで、電話が終わりました。
「ああ~、なんでこんなにムキになっちゃったんだろう・・・。」
とちょっと反省もしましたが、
そのとき、やっと自分のなかで、
やっぱり書道が大好きなんだということに気づきました。
大好きな書道を、みんなに伝えたい。
キレイな字を書くことは、素晴らしいこと。
マイナーと言われるなら、みんなに受け入れられるように頑張ればいい。
自分の中で、膨らんだ気持ちは、やがて大きな使命感になっていきました。
「華子、あんなこといっちゃって大丈夫なの?
書道は趣味でやってるんじゃないの?」
と、母が心配そうに聞いてきましたが、
もう後に引く気もありません。
とにかく、やるしかない。
自分の中で、大きく前に出なくてはいけない時がきたのです。
続く・・・