第7回 書道教室のスタイルを考える
起業物語第6回にあるように、
「書道はマイナー」
と言われたことで、(勢いで)起業することになった私。
>自分の書道教室のスタイルの確立はもとより、
>パンフレットなんか全く用意もしていませんでした。
なので、一番最初は、スタイルの確立!!を考えました。
・ルールその1 書道教室のスタイルを考える
誰に
どんな形式で
どんな結果をもたらすのか
従来の書道教室の多くは、
先生がご自宅で開いているスタイルでした。
起業前、私がやっていたスタイルもまさにそれ。
生徒さんも、お友達、だったので、
うちに遊びに来てもらうような感覚で、
気軽なスタイルでやっていました。
もちろん、そのスタイルは、
とても女性に合ったものだと思いますが、
(起業する方も、生徒さんにしても)
それでは、カルチャースクールの方に、
おもしろそう、とか、楽しそうだということが、
伝わりにくい!!と思い、
入口を変える必要がありました。
なので、従来のスタイルと思われないように、
誰に→若い女性に(従来の書道人口:子供+いわゆるおばあちゃん世代)
どんな形式で→場所を借りたセミナー形式(従来の形式:自宅の1室)
どんな結果をもたらすのか→たった2時間でも上達する(従来の結果→長い道のり)
と、思いきって、逆の戦略にでることにしました。
誰に→若い女性に
というのは、今までの書道人口では薄い層でしたが、
仕事をしたり、ママになったりと、
人生が変化するなかでも、
多様な場面で、手書きが求められるので、
絶対にキレイな字を書きたい!というニーズは多いと思いました。
それに、若い女性が、いずれ母親になったときに、
母親が字がキレイだというのは、
お子さんにとっても、大変よい影響が出ると思ったので、
その当時、まだ子供がいなかった私は、
お子さんに教えるのは、あとにして、
まず未来のお母さんが先だなと、一人うなずきました。
それに、カルチャースクールに、若い女性が来たら、
活気も出て、わ~となりそうだな、と。
どんな形式で→場所を借りたセミナー形式(従来の形式:自宅の1室)
セミナー形式での書道は、その当時も今も、あまり多くはありません。
できれば、入門してもらい、
上達のために長く通ってもらいたいですから、
自宅や、稽古場などでしっかり腰を据えて、
というスタイルの方が、本来はよいのです。
ただ、いきなり自宅に来て、入門というのは、
よほど高名な先生ならば当然としても、
まだ駆け出しの私には、難しいだろうと思いました。
それに、単発レッスンの方が、若い女性は通いやすいでしょうから、
最初は、セミナーを受けてもらって、
気に入っていただけたら、自宅の稽古場で入門してもらえばよい。
そんな理由で、場所を借りようと決めましたが、
いわゆる区の集会所などは、最初はやめるべきです。
起業当初のお金があまりかけられない状態で、
区の集会所は、広くて安くて、ありがたい場所にちがいありません。
ですが、そうすると、あとあと、お金をいただけないのです。
(ごめんなさい、あくまで私の独断ですが、
相場より高く設定するのが難しいと思います。)
区の集会所の利用規約で、
金銭のやりとりがNGのところもありますし、
なにより、安く借りれるということが、
誰にでも知られていますから、
料金をあまり高く設定することができません。
もちろんずっと無料、もしくは、割安でやるならそれもよいですが、
今後、ビジネスとして軌道に乗せていくのなら、
利益を考えねば。
最初からあまり安くやってしまうと、
利益が出る前に、キャッシュアウトして、
事業が続けられなくなってしまいます。
というわけで、場所選びも肝心なのです。
>お茶を飲みながら、気軽に楽しくレッスンできればいいと思ったので、
>最初の場所は、ルノアールの会議室をお借りしました。
そんなわけで、私は、フレキシブルに使えて、
おいしいお茶も飲めるルノアールの会議室に決めました。
1時間単位で借りられますし、
1人1杯のオーダー制ですが、
もちろん好きなものを選べます。
飲み物が終わるころになると、
新しいおしぼりと、あたたかいお茶もサービスしてもらえます。
あまり広すぎないお部屋もあるので、
少人数制のレッスンにはぴったり。
なるべく、キレイめなところを、と
新宿のルノアールを選びましたが、駅直結でとても便利でした。
女性には、そういうのが結構ポイント高かったりしませんか?
そして、セミナー料金ですが、
お友達だったし、
実績もないし、
なにより初めてのセミナーで、
思わぬ失敗をするかもしれないし、
もちろん無料で、
自腹を切るつもりでいました。
ところが、友達は、みんなそろって、
それはダメ~と言ってくれたのですが、
そうは言われても、いくらにしていいかすら、分からない(苦笑)。
じゃあ、10円?100円?
と冗談で言っていたら、
それもダメ~と言われたので(汗)
>レジメを作り、筆ペンを購入し、お清書用のかわいいご祝儀袋を買いました。
材料費として、1,000円お願いします、と言ったら、
授業料が入ってない!と叱られ、
トータル2,000円ということで、
やっと許可がおりました・・・。
私は、大切なお友達が、時間を割いてきてくれるのだから、
もちろん無料でよいと思っていたし、
逆に、ご祝儀のつもりで、多めに料金をいただいても、
それでは、将来的に、多くの人に役に立つレッスンができないと思って、
かなり辞退していました。
まさに、身銭を切って、学習させていただきたい。
そう思っていたのです。
ただ、私のデキる友達は、
「はなだから、大丈夫だよ。
だけど、最初は、料金をいただきづらいとか、
相場より高かったら来ないんじゃないかとか、不安になると思う。
でも、レッスン内容はいいものなんだし、
従来のスタイルと違うという、付加価値もあるから、
1円でも、気持ちよく支払っていただけることを考えよう。」
と言って、背中を押してくれました。
いま思い出しても、本当にありがたいひとことです。
おかげさまで、私は、
最初のイベントレッスンを、
支出:5,000円
(内訳:ルノアール会議室レンタル料2,400円+自分のお茶代600円+筆ペンご祝儀袋代4人分2,000円)
収入:8,000円(材料費2,000円×4人分 お茶代は各自負担)
結果、プラス3,000円の利益という、
大変ありがたい資本を得て、
無事によいスタートを切ることができたのです。
どんな結果をもたらすのか→たった2時間でも上達する(従来の結果→長い道のり)
書道や、ほかの道がつくお稽古事は、すべてが終わりのない、長い道のりです。
書道家や書道師範を目指すなら、それは当然のことですが、
そうではなく、
普段の字をキレイに書きたいという女性に、
いきなりそれを教えるのは、
ハードルが高いのではないか。
「あなたって、メモの字かキレイね。」
「○○ちゃんて、キレイな字を書くよね~。」
周りからそういう評価が得られれば、
自分にとっても、よいのではないか。
しかも、たった2時間で。
> 私は、生意気にも、ホワイトボードを使いながら、
>字が上手になる秘訣を、みんなに話していきました。
>友だちも真剣に聞いてくれ、
>私も熱心にお手本を書いたり、添削しているうちに、
>みるみるうちに、みんなの字がキレイになっていきました。
結果を出す。
少人数制のクラスでは、やりやすいことですね。
丁寧に見てあげられます。
しかし、少人数でなくても、対大勢でも、上達する秘訣。
それは、基本を伝えることです。
「基本なくして、上達なし」
といわれるように、
基本というのは、非常に大切ですが、
字においては、小学生でならったきり、
書道を習わない限り、
大人になっても振り返る機会がありません。
だからこそ、
基本を見直せば、大人は伸びる!!
そう確信した私は、
体系立った理論を考え、
上達の基本法則を作り上げました。
それが、現在、
書道のはな*みちではもちろん
、
六本木ヒルズでのレッスンや、書籍でもお伝えしている
「バランス3原則」です。
これは、のちに、書道のはな*みちの強みとなり、
いろいろなお仕事に発展していくこととなりました。