第2回 初めて近所の書道教室に通う
5歳:初めて近所の書道教室に通う(実はこれが運命の出会い)
 
私は、小学生になるとすぐに、近くの書道教室に通うことになりました。
理由は・・・。
おじさんが通っていたから!(苦笑)
両親の勧めで、
私はお習字を習い始めました。
 下の弟も、妹も、同じように、
 小学生になるとすぐ、一緒にお習字を習い始めました。
 その頃、子供たちの間で流行っていたお稽古事と言えば、
 お習字とそろばん!
 しかし、いくら流行っていたとはいえ、行ったお教室がすごい!
 なにがすごいって・・・
生徒が200人近くいたのです!
 本当にすごい熱気でした。
 お教室は、先生のご自宅の一室で広さは20畳ほどありましたが、
 当然入り切れません。
 入れない生徒は、玄関のすぐ隣の和室で、
 ひたすら順番が来るまで、正座で待ち続けます。
そして、もちろん私語厳禁!!
 兄弟で通っていた私たちは、
 我慢できず、しびれた足を突っつきあったり、友達と喋ったりしては、
 アシスタントの先生に怒られていました。
 そんな中、私の師匠である先生は、(その頃40代後半だったと思いますが、)
 ちゃきちゃきの江戸っ子で、ビシバシと、
 200人近くいる大勢の生徒達をさばいていました。
 ちょっと間違えたりすれば、すぐ激を飛ばす先生で、
 挨拶を始めとする礼儀作法にも大変厳しかったですが、
 生徒に指導しながらも、常に全体を眺め、温かく気を配り、
 そしてどんな状況でも、完璧に美しい字を書く先生を、
恐いながらも、すごいなぁ~と思っていました。
 しかし、思い返えせば、このときの師匠との出会いが、
 私にとっては、一生の財産となったのです。
人生初めての師匠が、最高の師匠であり、
5歳から、現在に渡ってずっと、
書だけでなく、私の考え方、家庭環境など人生のすべてを、
あたたかく見守り、ご指導してくださっているのですから・・・。


