起業物語〜私らしい書道教室の開き方〜

第7回 書道教室のスタイルを考える

起業物語第6回にあるように、

「書道はマイナー」

と言われたことで、(勢いで)起業することになった私。

>自分の書道教室のスタイルの確立はもとより、
>パンフレットなんか全く用意もしていませんでした。

なので、一番最初は、スタイルの確立!!を考えました。

・ルールその1 書道教室のスタイルを考える

2012-09-07 17:46:44

誰に

どんな形式で

どんな結果をもたらすのか

従来の書道教室の多くは、

先生がご自宅で開いているスタイルでした。

起業前、私がやっていたスタイルもまさにそれ。

生徒さんも、お友達、だったので、

うちに遊びに来てもらうような感覚で、

気軽なスタイルでやっていました。

もちろん、そのスタイルは、

とても女性に合ったものだと思いますが、
(起業する方も、生徒さんにしても)

それでは、カルチャースクールの方に、

おもしろそう、とか、楽しそうだということが、

伝わりにくい!!と思い、

入口を変える必要がありました。

なので、従来のスタイルと思われないように、

誰に→若い女性に(従来の書道人口:子供+いわゆるおばあちゃん世代)

どんな形式で→場所を借りたセミナー形式(従来の形式:自宅の1室)

どんな結果をもたらすのか→たった2時間でも上達する(従来の結果→長い道のり)

と、思いきって、逆の戦略にでることにしました。

2011-09-05 20:45:51

誰に→若い女性に

というのは、今までの書道人口では薄い層でしたが、

仕事をしたり、ママになったりと、

人生が変化するなかでも、

多様な場面で、手書きが求められるので、

絶対にキレイな字を書きたい!というニーズは多いと思いました。

それに、若い女性が、いずれ母親になったときに、

母親が字がキレイだというのは、

お子さんにとっても、大変よい影響が出ると思ったので、

その当時、まだ子供がいなかった私は、

お子さんに教えるのは、あとにして、

まず未来のお母さんが先だなと、一人うなずきました。

それに、カルチャースクールに、若い女性が来たら、

活気も出て、わ~手書きハートとなりそうだな、と。

2012-08-21 05:04:32

どんな形式で→場所を借りたセミナー形式(従来の形式:自宅の1室)

セミナー形式での書道は、その当時も今も、あまり多くはありません。

できれば、入門してもらい、

上達のために長く通ってもらいたいですから、

自宅や、稽古場などでしっかり腰を据えて、

というスタイルの方が、本来はよいのです。

ただ、いきなり自宅に来て、入門というのは、

よほど高名な先生ならば当然としても、

まだ駆け出しの私には、難しいだろうと思いました。

それに、単発レッスンの方が、若い女性は通いやすいでしょうから、

最初は、セミナーを受けてもらって、

気に入っていただけたら、自宅の稽古場で入門してもらえばよい。

そんな理由で、場所を借りようと決めましたが、

いわゆる区の集会所などは、最初はやめるべきです。

起業当初のお金があまりかけられない状態で、

区の集会所は、広くて安くて、ありがたい場所にちがいありません。

ですが、そうすると、あとあと、お金をいただけないのです。
(ごめんなさい、あくまで私の独断ですが、
  相場より高く設定するのが難しいと思います。)

区の集会所の利用規約で、

金銭のやりとりがNGのところもありますし、

なにより、安く借りれるということが、

誰にでも知られていますから、

料金をあまり高く設定することができません。

もちろんずっと無料、もしくは、割安でやるならそれもよいですが、

今後、ビジネスとして軌道に乗せていくのなら、

利益を考えねば。

最初からあまり安くやってしまうと、

利益が出る前に、キャッシュアウトして、

事業が続けられなくなってしまいます。

というわけで、場所選びも肝心なのです。

>お茶を飲みながら、気軽に楽しくレッスンできればいいと思ったので、
>最初の場所は、ルノアールの会議室をお借りしました。

そんなわけで、私は、フレキシブルに使えて、

おいしいお茶も飲めるルノアールの会議室に決めました。

1時間単位で借りられますし、

1人1杯のオーダー制ですが、

もちろん好きなものを選べます。

飲み物が終わるころになると、

新しいおしぼりと、あたたかいお茶もサービスしてもらえます。

あまり広すぎないお部屋もあるので、

少人数制のレッスンにはぴったり。

なるべく、キレイめなところを、と

新宿のルノアールを選びましたが、駅直結でとても便利でした。

女性には、そういうのが結構ポイント高かったりしませんか?

そして、セミナー料金ですが、

お友達だったし、

実績もないし、

なにより初めてのセミナーで、

思わぬ失敗をするかもしれないし、

もちろん無料で、

自腹を切るつもりでいました。

ところが、友達は、みんなそろって、

それはダメ~と言ってくれたのですが、

そうは言われても、いくらにしていいかすら、分からない(苦笑)。

じゃあ、10円?100円?

と冗談で言っていたら、

それもダメ~と言われたので(汗)

>レジメを作り、筆ペンを購入し、お清書用のかわいいご祝儀袋を買いました。

材料費として、1,000円お願いします、と言ったら、

授業料が入ってない!と叱られ、

トータル2,000円ということで、

やっと許可がおりました・・・。

私は、大切なお友達が、時間を割いてきてくれるのだから、

もちろん無料でよいと思っていたし、

逆に、ご祝儀のつもりで、多めに料金をいただいても、

それでは、将来的に、多くの人に役に立つレッスンができないと思って、

かなり辞退していました。

まさに、身銭を切って、学習させていただきたい。

そう思っていたのです。

ただ、私のデキる友達は、

「はなだから、大丈夫だよ。

だけど、最初は、料金をいただきづらいとか、

相場より高かったら来ないんじゃないかとか、不安になると思う。

でも、レッスン内容はいいものなんだし、

従来のスタイルと違うという、付加価値もあるから、

1円でも、気持ちよく支払っていただけることを考えよう。」

と言って、背中を押してくれました。

いま思い出しても、本当にありがたいひとことです。

おかげさまで、私は、

最初のイベントレッスンを、

支出:5,000円

(内訳:ルノアール会議室レンタル料2,400円+自分のお茶代600円+筆ペンご祝儀袋代4人分2,000円)

収入:8,000円(材料費2,000円×4人分 お茶代は各自負担)

結果、プラス3,000円の利益という、

大変ありがたい資本を得て、

無事によいスタートを切ることができたのです。

hills20110919

どんな結果をもたらすのか→たった2時間でも上達する(従来の結果→長い道のり)

書道や、ほかの道がつくお稽古事は、すべてが終わりのない、長い道のりです。

書道家や書道師範を目指すなら、それは当然のことですが、

そうではなく、

普段の字をキレイに書きたいという女性に、

いきなりそれを教えるのは、

ハードルが高いのではないか。

「あなたって、メモの字かキレイね。」

「○○ちゃんて、キレイな字を書くよね~。」

周りからそういう評価が得られれば、

自分にとっても、よいのではないか。

しかも、たった2時間で。

> 私は、生意気にも、ホワイトボードを使いながら、
>字が上手になる秘訣を、みんなに話していきました。

>友だちも真剣に聞いてくれ、
>私も熱心にお手本を書いたり、添削しているうちに、
>みるみるうちに、みんなの字がキレイになっていきました。

結果を出す。

少人数制のクラスでは、やりやすいことですね。

丁寧に見てあげられます。

しかし、少人数でなくても、対大勢でも、上達する秘訣。

それは、基本を伝えることです。

「基本なくして、上達なし」

といわれるように、

基本というのは、非常に大切ですが、

字においては、小学生でならったきり、

書道を習わない限り、

大人になっても振り返る機会がありません。

だからこそ、

基本を見直せば、大人は伸びる!!

そう確信した私は、

体系立った理論を考え、

上達の基本法則を作り上げました。

それが、現在、

書道のはな*みちではもちろん

六本木ヒルズでのレッスンや、書籍でもお伝えしている

「バランス3原則」です。

これは、のちに、書道のはな*みちの強みとなり、

いろいろなお仕事に発展していくこととなりました。